海外のホームステイで感じたホームシック。
その理由とは…。
──これまで、二度海外留学の経験があるそうですね。
西野 はい。小っちゃいときから海外生活に興味があって、小学校5年生のときにグアムへ。高校1年生のときには、ロサンゼルスへホームステイしに行きましたし。短い期間とはいえ海外生活を経験したことで英語にも興味を持ち、今でも習い続けています。
──小学生でホームステイって、ホームシックになりませんでした?
西野 うちの親は、すごく子供に冒険させたがるんです。ホームステイをしたのも、わたしが「海外で暮らしてみたい」と言ったことから決めてくれたこと。実際グアムで暮らしたときは毎日が楽しくって、むしろ日本へ帰りたくないと思ってたくらい。逆にロサンゼルスのときのほうが、ホームシックにかかってました。
──その理由は、コミュニケーションしていくのが大変だったからとか?!
西野 コミュニケーション面は全然問題なかったし、暮らしてくぶんにはすごく楽しかったんですけど。わたし、食べることが一番の喜びなのに、とにかく食事が合わなかったんですね。その幸せが、生活の中から一つ抜け落ちたことがつらかったんです。
──ロサンゼンスでの海外留学を経験してからですか?民謡を習い始めたのは。
西野 そうです。海外にいると、みんな日本のことをいろいろきいてくるんです。出会った人たちは、みんな母国の歴史から何からいろいろ知っているのに、わたし生まれ育った国なのに、そんなに日本のことがわかってなかったんですね。向こうで習っていた先生にも、「もっと日本のことを学んだほうがカナのためになる」と言われたし。わたしも「もっと日本人としての誇りを心の中へ持ちたい」と思ったんです。そこで「何を具体的に学ぼうか」と考えたときに、わたしは「大好きな歌だな」と思い。お母さんの友達に民謡の先生がいたことから、その方へ師事し、民謡を習いました。
自分の想いを伝えたいし、そうすることで
"西野カナ自身のことを知ってもらえる"と思ったからこそ、
みずから詞を書くようになりました
──カナさんがデビューするきっかけとなったオーディションって、お母さんが勝手に応募したことがきっかけだったんでしょ。
西野 そうなんです。わたしが歌好きなことを知ってたから、勝手に応募したらしいんですね。そうしたら、一次審査に合格。お母さんに「一次受かったから、次もがんばってね」と言われ、そうなったら受けないわけにいかないじゃないですか。もちろんシンガーになりたい夢を持っていたので挑戦した結果、今現在に至ってます(笑)
──カナちゃんの場合、作詞にも強いこだわりがあるそうですね。
西野 みずから歌う以上、「自分の想いを伝えたいし、そうすることで"西野カナ自身のことを知ってもらえる"と思ったからこそ、みずから詞を書くようになりました。
──その詞がまた、どれも隠しておきたい日記をそのまま描き出したような内容じゃない?!
西野 ホント、自分の日記をみんなへ見せてる感じですよね。だけどわたし、いっつも友達に「ねぇ、きいてきいて」と自分の気持ちをペラペラしゃべっちゃう性格。知らない人にまで、気がついたら自分のことを熱く語ってたりするくらい(笑)。むしろ「みんなにわたしの話をきいて欲しい」性格だからこそ、こうやって本心を形にして伝えていくことが嬉しいんです。
輝いてた日々、輝こうとしている毎日。
──現在、大学へ通うため名古屋で一人暮らし中のカナさんですが、一人暮らし生活は、もうどれくらい経ちました?
西野 ちょうど1年くらいです。
──2ndシングルの表題歌『glowly days』は、新生活を始めようとするときの気持ちを綴った歌ですよね。
西野 そうなんです。今でこそ、一人暮らしにも慣れましたけど。引っ越ししたばかりの、しかもまだ大学生活さえ始まってなかった頃はムッチャ憂鬱だったというか、すっごく寂しかったんです。
もちろん、大学の授業が始まると同時に新しい生活が始まり、新しく友達もできれば、学生としての価値観も次々と変わってくじゃないですか。そうやってどんどん楽しみも増えていくんですけど。
同時に、フッと昔のことを思い出すと、それまでの日々が輝いて見えてきて、なんか淋しさを覚えてしまうときもあるんです。
わたしにとっての高校時代は、本当に輝いてた(glowな)日々だったんですね。だからこそ、余計に輝いて見えていたんだろうし。そんな、希望を持ちながらも不安に苛まれている頃。そして実際に新しい生活を始め、前に向かって歩き始めた時期。そんな前向きな気持ちの中でさえ、フッと過去を振り返ったときに感じた切ない想い。短いながらも、その月日の流れの中で感じた感情の変遷を、この『glowly days』の中へは詰め込みました。
──学校生活が始まったら、それらの不安もすぐに消し飛びました?!
西野 よく「ゴールデンウィール辺りまでは、まだまだ一人暮らしへの不安もあるけど。それ以降は、むしろ一人暮らしのほうが好きになる」って言うじゃないですか。わたしは全然そんなことなくって、ゴールデンウィーク過ぎても、やっぱし実家に帰りたいと思っていたんです。だけど住み続けていると、「住めば都」と言うよう、今ではわたしも、実家よりも一人暮らしをしている部屋へ帰るほうが楽になりました。
──今は東京と名古屋の往復。仕事と学校の両立という生活。けっこう大変な日々じゃない?!
西野 学校が始まっちゃうと、ホント家で過ごす時間がなくなると言うか。帰って寝るだけの生活になっちゃうんです。おかげで今や足の踏み場がないくらい、部屋はグッチャグチャですよ(笑)。本当なら綺麗にしなきゃいけないのに、片づける暇があったら、とにかく寝たいという状態なもので(笑)
──この『glowly days』、本当にカナさん自身の気持ちの揺れや流れが見えてくる歌になりましたね。
西野 新生活を始めて、まだ一人ぼっちの頃、いろんな楽しかった日々を思い返し落ち込んだりもしてたけど。新しい生活が始まったとたん、前へ進みたいという前向きな新しい気持ちになっていく。そんな気持ちの流れを1曲の中へ描けた歌になったと思います。
遠距離恋愛だからこそ、
お互いに逢おうとしちゃうんです。
──続く『celtic』は、遠距離恋愛の歌??もしかして、(実家を離れ一人暮らしを始めたという)『glowly days』のような環境ができたからこそ生まれた内容なんですか?!
西野 『glowly days』のあとに『celtic』を聴くと、続き物の内容のように思えてしまいますよね。実際そう捉えていただいても構わないんですが。実際には『celtic』のほうが、『glowly days』よりも前の気持ちなんです。
──あっ、そうだったんですね。
西野 この歌に出てくる主人公は、高校三年生というのが設定。彼女が高校二年生のときに、一つ上の先輩にあたる彼氏が居た。その彼氏が大学へ進学するために実家を離れ、遠くで一人暮らしを始めたんです。地元に残った女の子は、遠距離恋愛をしていくことになるんですね。だけどお互い学生なよう、会えても月1回がせいぜい。そのぶん会える日が決まったときに、まるで旅行へ行くときのよう鞄の中へ荷物を詰め込みながら、いろんな想像を膨らませていく。わたしも実際、会う日の何日も前からウキウキしながら、荷物の準備をしてたなんて経験がありました。
──言われてみれば、そういう想いが綴られてるもんなぁ。
西野 この作品を発売する4月下旬頃って、実際に遠距離恋愛を始めてく人たちだって多いじゃないですか。わたしの身近にも、実家を離れ一人暮らしを始めたことから遠距離恋愛をしてる子がいたし。でも、大抵上手くいかないんですよね。わたしも彼女も、やっぱし破局しましたもん。でもこの『celtic』には、遠距離恋愛が上手くいってるときの気持ちを綴ってます。
それとですね、この歌、とくに遠距離恋愛の歌と捉えていただかなくてもいいんです。
──と、言うのは?
西野 会いたくても会えないって、たとえ近くに住んでても起きることじゃないですか。お互い忙しくて、自然とすれ違っていく。むしろ遠距離のほうが、物理的な距離感があるぶん、お互いに逢おうとするから、繋がる気持ちが強くなっていくのかも知れない。だって身近にも、お互い近くに住んでるのにすれ違いばかりで、遠距離恋愛しているような関係の子だっておったし。
漫画から抜け出してきたような乙女な子の
ドジな日々を綴った歌。
──カナさんの綴る歌詞には、身近な友達の経験談もいろいろ反映されてるんですね。
西野 3曲目へ収録した『Yami Yami Day』も、そう。1番に書いた、"せっかくセットしたのに外へ出たら雨で元に戻った。しかも傘を買ったら、雨がやんでるし"というのは、わたしの経験。そして2番に記した"久しぶりのデートに備え、前日からパックをしたり。当日もメイクやヘアセットもバッチリ整えたのに、ドタキャンされた"というのは、わたしの友達の経験談。
その子が、ホントに少女漫画や韓国ドラマに出てくるような恋愛をしている乙女な子なんです。しかも、いっつも「ちょっと聴いてよぉ〜」と言いながら、そういう話をしてくるんですね。わたしには乙女な部分がないから、"わたしのドジッ気な部分と、彼女の乙女な部分を足してけば、すごく可愛い女の子像ができる"と思い、この『Yami Yami Day』を書きました。
──曲調的にも、3曲3様なスタイルとして並びました。
西野 わたしは、一つのスタイルに固執したくないよう、逆にこのバラバラ感が西野カナのスタイルなんだと思います。とくにC/Wには、わたしの大好きな音楽性を描いた楽曲を毎回入れてますし。
──改めて最後に、2ndシングル『glowly days』の魅力を聴かせてください。
西野 『glowly days』は、新しい生活を始めたばかりの人たちはもちろん。そうじゃない人たちだって、4月や5月というのは、いろんな気持ち揺れる時期じゃないですか。だからこそこの季節に聴くと、すごく心に染み込んでいく楽曲になったと思います。
『celtic』は、恋愛をしている人やったら誰もが感じる想い。そして『Yami Yami Day』もまた、日常の中で「あるある、こういうこと」と思ってもらえる内容になったので、3曲3様の想いをぜひ楽しんでいただければと思ってます。